律法を有耶無耶にするソロモン

なるほどTheBible2024/06/07
=律法を有耶無耶にするソロモン=
Q:神聖な場所だから神殿建設現場は静かだったのですか?
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[参考聖書箇所] 列王記第一6章7節
7,神殿が建てられたとき、石切り場で完全に仕上げられた石で建てられたので、工事中、槌や斧や、いかなる鉄の道具の音も、いっさい神殿の中では聞こえなかった。
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A:結論から言うと「NO」です。
「7,神殿が建てられたとき、石切り場で完全に仕上げられた石で建てられたので、工事中、槌や斧や、いかなる鉄の道具の音も、いっさい神殿の中では聞こえなかった。」とありますが、石切りの作業を建築現場で行わなかったのは「神殿建築の場所は神聖な地。よって静寂を必要としていた。」というのが本当の理由なのでしょうか。ならば石を積み上げる音や材木を組み立てる木槌の音あるいは監督の怒鳴り声は全くなかったと言えるのでしょうか。「石切り場で仕上げられた石」にはどうも他の意味があるようです。以下にまとめてみました
【第一の理由】律法違反を有耶無耶にするため・・・「石の祭壇を造るなら切り石で築いてはならない。のみを当てると石が汚されるからである。(出エジプ記20:25)」や「石の祭壇に鉄の道具を当ててはならない。(申命記27:5)」と律法にありますがこれは祭壇に関する規定であり、「石で祭壇を造るという人間の欲求」を許可したに過ぎないのです。「石を加工する技術」は「石による彫像で偶像を作り出す」危険性があったからです。ダビデおよびソロモンは「石を積みあげる」ことで神殿を造ろうとしています。エジプトの神殿はもとよりペリシテ人の神殿も石を積み上げて造られています。それは当時の異教徒の間では当たり前だったのです。「布で覆われた天幕(テント)」が神殿ではイスラエルはいつまでも遊牧の民と蔑まれのです。ダビデ・ソロモンの威厳にかけても「石積み」でなければならないのです。ところが律法の規定では神事に使う石に鉄器を当ててはならない規定があったわけですから、それをエルサレムの建築現場で行えば律法違反を追及される可能性があったのです。「律法違反を有耶無耶にする」それが本当の理由ではないでしょうか?ソロモンがエジプトのファラオの娘を娶るということは、「非常に高度なエジプトの建築技術を利用できる」関係にあるとも言えるのです。ファラオにしてみれば婿に当たるソロモンですから、ソロモンからの技術者の招聘に快諾できるのは当然の筈です。こんなところにもソロモンがファラオの娘と婚姻関係を持った理由が見えるのです。
【第二の理由】騒音被害を回避するため・・・仮に神殿建設現場で砕石や石切り作業を行えば大変な騒音がエルサレム中に響き渡るのは当然です。エルサレムに居住する人間の健康を損なうのは目に見えています。石切り場のシェバリム(アイの近く)からエルサレムの間は約15km。これだけ離れていれば騒音は聞こえてきません。