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月名に込められた作者の評価

2024年7月6日

なるほどTheBible2024/06/16
=月名に込められた作者の評価=
Q:「ジブ」や「ブル」の月名には何か意味があるのですか?
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[参考聖書箇所] 列王記第一6章37-38節
第四年のジブの月に、主の宮の礎を据え、第十一年のブルの月、すなわち第八の月に、神殿のすべての部分が設計どおりに完成した。七年かけて建てたのである。
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A:結論から言うと「Yes」です。
●ジブの月は英語Zifでヘブル語ズィブ。「明るさ」という意味です。2番目のヘブライの月で4月から5月に相当し植物の芽が出て生命が一気に噴き出すような季節ですね。ブルの月英語でBul。ヘブル語ブォル。「増加」という意味です。8番目のヘブライの月で10月-11月に相当し植物が枯れ始める時期でもあります。
●37・38節のこの月の名前に列王記作者エレミヤのソロモン神殿に対する評価が記されているように思えてなりません。「ジブ」つまり明るさに満ち希望にあふれて神殿建築を始めたのですが、木の葉が枯れて落ち始め野菜全体が垂れ下がって枯れることを意味する「ブル」に神殿建築は完了したというのです。エレミヤの目に神殿建築は主なる神様への正しい信仰心から始まったものではなくソロモンの権勢をイスラエル内外に誇示するための道具に過ぎないと見えていたのです。「神殿建築はソロモンに信仰の息吹を与えイスラエルに信仰を土台にした明るい未来をもたらす「ジブ」の様に見えたのです。しかし結果的には冬の訪れを予感させる「ブル」つまりイスラエルの信仰の灯火を消し去る大きな災いを引き起こす原因となってしまった。」とエレミヤには思えたのがこの表現なのです。ソロモンが渡された設計図は父ダビデが建築士ヒラムと共に考案したものです。つまりダビデの晩年の信仰心もソロモン御同様だったことが伺えるのです。