神無きソロモンの政治政策

なるほどTheBible2024/05/24
=神無きソロモンの政治政策=
Q:ソロモンの政治は信仰に基づくものですか?
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[参考聖書箇所] 列王記第一4章
5,ナタンの子アザルヤは政務長官、ナタンの子ザブデは祭司で王の友
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A:結論から言うと「NO」です。
ソロモン王国の高官リストを眺めてみます。ここに名を連ねた高官は国王ソロモンと同席が許され重要な会議を行っていた人物達です。外人傭兵の指揮官が無くなっています。イスラエル人と異国人の区別をつけないソロモンの同化政策の表れです。この方が機能的なのです。しかし着実に異教文化が浸透していくのです。役務長官とは国民の役務(兵役、兵器の製造や公共事業の強制労働)に関する監督管理です。新設された宮廷長官はソロモンの宮廷における執事です。政務次官は12人の守護の監督管理で各地からの貢納物や貢納金の貢納状況を見て厳しく指導する役職で12人の守護に最も嫌われていた役職です。後に地域住民の反感を買い殺害されます。(Ⅱ歴代誌10:18) アザルヤとザブデはナタンの子と記されています。また双方とも祭司とされています。一説にはここに登場するナタンは預言者ナタンのことではなく、バテ・シェバとの間に生まれた子供とされています。とするとソロモンからすればこの二人は甥にあたります。当然レビ人ではありませんから正式な祭司職には就けないはずです。だとするとソロモンはここでも律法を無視していることになるのです。ソロモンにとって宗教界は侮れない一大勢力です。ここを牛耳るために必要な処置だったのでしょう。最後にツァドクとエブヤタルが祭司に名を連ねています。エブヤタルはソロモンによって罷免追放されているので、恐らく彼の功績を称賛するために記録しておいたものと思われます。ところがこれも「名誉を残してやるから自分の兄弟が祭司職に就くことに目を瞑れ。」というソロモン特有の政策「交換条件」と思われるのです。兎も角ソロモンの政策には隙やほころびが見えないのです。緻密に見える政府機能ですが主なる神様に伺い求めたものではなくエジプトやペルシャなどの異国人の王国機能の模倣にすぎないのです。