列王記第一11章-3(26-28節)
=本章の内容=
❸-1ヤロブアムの生い立ち
=ポイント聖句=26,ツェレダ出身のエフライム人、ネバテの子ヤロブアムはソロモンの家来であった。彼の母の名はツェルアといい、やもめであった。ところが彼も王に反逆した。
=黙想の記録=❸-1ヤロブアムの生涯は決して順風満帆ではありませんでした。彼の母、ツェルアは寡婦であり、生活は非常に困難であったと推測されます。ソロモンは外国人だけでなく、エルサレムから遠く離れた全イスラエルの人々にも強制労働を課していたようです。新改訳2017の28節では「手腕家」と表現され、ヘブル語では勇敢な戦士と記されています。これにより、ヤロブアムも若い頃から厳しい労働に従事していたことが明らかになります。また、英語訳では「豪傑・勇ましい」と形容されていることから、彼が際立った人物であったことが伺えます。預言者アヒヤの出身地であるシロは、ヤロブアムの故郷ツェレダから東に約20km(成人の足で約4時間)離れているため、アヒヤは早くから彼がイスラエル北王国を率いるにふさわしい人物と一目置いていたことでしょう。また、「28,・・・ヨセフの家のすべての役務を管理させた。」という記述から、ヤロブアムはソロモン王宮に出入りし、ソロモン王家の贅沢な生活が、多くのイスラエル人民の労働と税金によって成り立っているという悲しみを感じていたことでしょう。また北の10部族が彼に従ったのもヤロブアムの生い立ちや考え方に多くの人々が共感していたからに相違ありません。
注目語句語句①手腕家(28):英語a mighty man of valour[豪傑](KJV), a valiant warrior (NASB95)[勇ましい戦士], a very capable young man(NLT) [非常に有能な青年];ヘブル語ハイール・ギボール[力のある(勇ましい)・戦士],
注目人名人名①ネバテ(26):英語Nebat;ヘブル語ネバットゥ[側面]・・・
人名②ヤロブアム(26) :英語Jeroboam;ヘブル語ヤロベアーム[人民は争う]・・・ソロモンの死後10の部族が、ソロモンの息子レハブアム率いる他の2部族(ユダ族とベニヤミン族)から分裂したとき、イスラエル北王国の最初の王となり、22年間統治した(紀元前976-945)。
人名③ツェルア(26) :英語Zeruah;ヘブル語ツェルアー [豊かな胸]
注目地名
地名①ツェレダ(26):英語Zereda;ヘブル語ツェラダー[要塞]