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列王記第一11章-1

列王記第一11章-1(1-13節) 
=本章の内容=

❶背信の道を進むソロモンと王国分裂の予告

=ポイント聖句=

2,この女たちは、主がかつてイスラエル人に、「あなたがたは彼らの中に入ってはならない。彼らをあなたがたの中に入れてもいけない。さもないと、彼らは必ずあなたがたの心を転じて彼らの神々に従わせる」と言われた、その国々の者であった。しかし、ソロモンは彼女たちを愛して離れなかった

=黙想の記録=

❶1-13節:ソロモンが背信していく要因は「国家安寧」の為の政略結婚でした。父ダビデは「国内平定」の為、諸部族部族長の娘たちとの政略結婚を積極的に進めていきました。親の例に倣ったと言ってしまえばそれまでですが。律法は国王の一夫多妻制を禁じていますが、ダビデもソロモンも「国家安寧」「国内平定」を理由にその律法を反故にしてしまうのです。異性間トラブルを引き起こす人の場合、幼少期における家族関係のトラブルに遭遇してしまった場合や親の愛情不足あるいは愛情過多により歪な異性感情を醸成されてしまうケースが多いとされています。ダビデは8人兄弟の末っ子ということから母親の愛情が行き届かなかったケースと考えられ、ソロモンはダビデによる一夫多妻の影響をもろに受け父親不在・母親の愛情過多が彼の女性への歪な感情を作り上げてしまったと思えるのです。以降この一夫多妻制は南北イスラエル王家にはっきりと継承されていくのです。しかし婚姻によって結びつけられた男女間の感情は単なる恋愛感情では収まりません。相手の人格や風俗習慣に染まってしまう影響力を持っていたのです。偶像崇拝を是とする民族との婚姻関係は、自ずと偶像崇拝という習慣をソロモンにまたイスラエル全国民に浸潤させていくのは当然だったのです。「9,・・・主が二度も彼に現れ」とありますが、に、「ギブオン(1列王記3:5)」でそして「神殿と王の家が完成した直後(1列王記上9:2)」の二回です。すでに主なる神様はソロモンに警告をしてきたのです。しかし右上がりの人生の真っただ中、ソロモンは甘美な成功の香りに酔いしれ、思いあがってしまっていたのです。「11,そのため、主はソロモンに言われた。「あなたがこのようにふるまい、わたしが命じたわたしの契約と掟を守らなかったので、わたしは王国をあなたから引き裂いて、あなたの家来に与える。」の預言は恐らく当時の預言者の口でソロモンに宣告されたものです。斯くしてソロモンによる巨大帝国は一代で終わり、以降2つの弱小国家に成り下がっていくのです。

語句 語句①モアブ人(1):英語Moabites;ヘブル語モアビー・・・モアブ人は、アブラハムの甥であるロト(創世記19:30-37)からの子孫であり、ヘブライ人と実質的に同じ言語である。 モアブの主神はケモッシュ。
語句②アンモン人(1):英語Ammonites;ヘブル語アモニー・・・ロトの子孫。イスラエルの人々は、約束の地への進軍の際、彼らとの衝突を避けるよう命じられている(申命記2:19)。
語句③エドム人(1):英語Edomites;ヘブル語アドミー・・・エドムという名前は、この国特有の赤い砂岩の崖に由来とされている。 エサウに適用されたのは、その肌の色(創世記25:25)、または長子の権利を売ったュシチューの色(創世記25:30)。 エサウはセイル山に住むエドムと同一視され、エドムの父として描かれている。ダビデは非常に精力的にエドム人に戦いを挑み塩の谷で18,000人のエドム人を殺害している。
※最初の3民族はアブラハムを起源としている。
語句④シドン人(1):英語Zidonians;ヘブル語シドニー・・・ジドンの住民で 彼らはカナンの国々たにいた先住民。彼らの植民地はレバノンからミスレフォトマイム(ヨシュア13:4、6)まで丘の国に広がっていた。ダビデとソロモンのために杉を刈り取ったようです(1 歴代誌 22:4)。 彼らはイスラエルの人々を最初の入国の際に抑圧し(10:12)、贅沢で無謀な生活を送っていたようです(18:7)。 彼らは木材の伐採・加工に長けていた(1列王記5:8)。ソロモンは神殿や宮殿建築の為に積極的に彼らを手利用している。女神アシュタロテを守護神として崇拝していた。
語句⑤ヒッタイト人(1):英語Hittites;ヘブル語へイス・・・パレスチナとシリアにはもともと3つの異なる部族が住んでいた。彼らは遊牧民と牧畜民でした。主な都市はユーフラテス川のカルケミシュだった。ヒッタイト人たちは、長い間エジプトとアッシリア帝国の手ごわいライバルとして強大な権力を獲得していた。 ヨシュア記には常にガリラヤの北の支配的な種族として登場する。
語句⑥アシュタロテ(5):英語Ashtoreth;ヘブル語アシュトレス・・・フェニキア人の月の女神。しばしば太陽神バアルの名前と関連している。 これらの名前はしばしば複数形(Ashtaroth、Baalim)で表現されているため、異なる彫像や神々など形状が一定ではなかったと想像される。 サウルの時代にペリシテ人の間にこの女神の神殿があった(1サムエル31:10)。 イシュタルの名で、アッシリア人の偉大な神の一人だった。 フェニキア人は彼女をアスターテと呼びました。 ソロモンはこの偶像崇拝を行っていた(1列王記11:33)。 イゼベルの祭司400人は、おそらくその奉仕に雇われたと思われる(1列王記18:19)。
語句⑦ミルコム(5):英語Milcom;ヘブル語マルカーム・・・モレク神は男性神でアンモン人の守護神であり、モロク(Moloch)ともいう。「涙の国の君主」、「母親の涙と子供達の血に塗れた魔王」とも呼ばれており、人身供犠が行われたことで知られる。
語句⑧ケモシュ(7):英語Chemosh;ヘブル語ケモーシュ・・・ケモシュはモアブ人の守護神。その名前はおそらく「破壊者」、「征服者」、または「魚の神」を意味していた。
語句⑨モレク(7):英語Molech;ヘブル語モレフ・・・アンモン人とモアブ人が信奉していたのはモレク神だった。古代のヨルダン東部に住んでいたアモン人達からは、豊作や利益を守る神として崇拝されており、彼らはブロンズで「玉座に座ったモレクの像」を造り出し、それを生贄の祭壇として使っており、像の内部には7つの生贄を入れる為の棚も設けられていた。そしてその棚には、供物として捧げられる小麦粉、雉鳩、牝羊、牝山羊、子牛、牡牛、そして人間の新生児が入れられ、生きたままの状態で焼き殺した。新生児はいずれも王権を継ぐ者の第一子であったとされる。また、生贄の儀式にはシンバルやトランペット、太鼓による凄まじい音が鳴り響き、これは子供の泣き声をかき消す為のものとされている。(Wikipedia)

 

 

列王記第一

Posted by kerneltender