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列王記第一10章-3

2025年4月22日

列王記第一10章-3(26-29節)
=本章の内容=

❹軍需産業

=ポイント聖句=

29,戦車はエジプトから銀六百、馬は銀百五十で買い上げられて、輸入された。同様に、ヒッタイト人のすべての王やアラムの王たちにも、王の商人たちの仲買で輸出された。

=黙想の記録=

❹26-29節:25節で輸入された「馬、ろば」は単なる交通手段ではありません。これらを調教し軍馬として仕立て上げ、自国軍の軍備として利用する他、積極的に他国に輸出していたのです。「26,・・・戦車と騎兵を集め、戦車千四百台と騎兵一万二千人を所有した。」この戦車は映画ベンハーで見たような馬2頭立て(ソロモン時代は2頭立て)あるいは4頭立ての戦闘馬車のことです。ローマ帝国時代はこの戦闘馬車のことをチャリオットと呼んでいました。2024年時点でイスラエル国防軍は16万人9,500人の人員を要しています。ソロモン時代騎兵だけでも1万2000人(Ⅱ歴代誌9:25では2万2000人)です。武器を取り扱うだけでも相当な訓練が必要ですが騎兵ともなれば熟練するためには半年以上を要するでしょう。つまりこの騎兵は徴兵された常備軍ということになります。恐らくソロモン帝国は騎兵だけではなく歩兵としての常備軍が数万人いたことでしょう。これらの軍人の生活費や彼らの給与を賄うために膨大な国防費が必要だった想像されるのです。因みに現在のイスラエル国防費は2025年予算で1100億シェケル(約4兆5000億円)です。「29,・・・戦車はエジプトから銀六百、馬は銀百五十で買い上げられて、輸入された。」数字の後ろには「シェケル」が省略されています。1シェケルは8.33gとすると600シェケルは4998gで現在の銀の相場で774,690円。150シェケルは1,249.5gで193,673円になります。2頭立ての戦闘馬車を組むのに900シェケル約116万円(1,162,035円)。意外と安いのです。しかしただの馬を軍馬に育てこれをセットにして「29・・・,ヒッタイト人のすべての王やアラムの王たちにも、王の商人たちの仲買で輸出」する時にはこの数倍の値になりますから、戦闘馬車の輸出は一大軍需産業となるわけです。ソロモンは企業家として大変な実力者で先見の明があったといえるでしょう。

注目聖句

28,ソロモンが所有していた馬は、エジプトとクエから輸入されたもので、王の商人たちが、代価を払ってクエから手に入れたものであった。新改訳2017
28,王の馬は、エジプトや南トルコから、王の代理人が相当の代金を払って買い入れたものです。リビングバイブル
28.And Solomon had horses brought out of Egypt, and linen yarn: the king’s merchants received the linen yarn at a price(KJV)【直訳】ソロモンは馬をエジプトから連れ出し、麻糸を手に入れ、王の商人たちは代価を払って麻糸を受け取りました。
28, Solomon’s horses were imported from Egypt[fn] and from Cilicia[fn]; the king’s traders acquired them from Cilicia at the standard price.(NLT)【直訳】ソロモンの馬はエジプトとキリキアから輸入され、王の商人たちは標準価格でキリキアからそれらを入手しました。

注目地名

地名①シェフェラ(27):英語in the vale;ヘブル語シェフェラ[低地]・・・ユダの山々から地中海まで西に伸びるパレスチナの低地の名前。「シェフェラのいちじく桑の木のように」とはパレスチナではごくありふれた木材のように高価な杉材を惜しみなく使用したという意味になる。
地名②クエ(28):英語linen yarn:麻糸;ヘブル語ミクべ[希望]

 

 

 

列王記第一

Posted by kerneltender