最新情報

列王記第一8章-3

列王記第一8章-3(8:12-21)
=本章の内容=

➌ソロモンの祈り(1)

=ポイント聖句=

12,そのとき、ソロモンは言った。「主は、黒雲の中に住む、と言われました。
19,しかし、あなたはその家を建ててはならない。あなたの腰から生まれ出るあなたの子が、わたしの名のために家を建てるのだ。

=黙想の記録=

●先が見えないほど濃い雲が俄かに湧いてきたのはどう考えても自然現象ではありません。モーセがホレブ山に上った時に出現した時、作者は「神がおられる黒雲」と表現しています(出エジプト20:21)。またソロモンの父ダビデはサウルの手から救い出された時「主は天を押し曲げて降りて来られた。黒雲をその足の下にして。」と歌っています(2サムエル22:10)が、ダビデはこの黒雲を見たわけではありません。そのダビデを差し置いてソロモンはこの「主の臨在の印である黒雲」を見たのです。「イスラエルの神は栄光に包まれた天に座し、人間に関心がない」と思っていたソロモンは「イスラエルの神は確かにこの暗黒に満ちた地上にもおられ、絶えずイスラエルに関心を払って下さる神であった」と確認せざるを得なかったのです。穿った見方をすれば、形式的信仰のソロモンに対して主なる神様が与えられた「最終警告」の様にも思えるのです。しかしソロモンは「私は、あなたの御住まいである家を、確かに建てました。御座がとこしえに据えられる場所を。(8:11)」といただけない一言を付け加えてしまうのです。「御住まいである家を建てる」ということは創造主にして全世界の主である方を「イスラエル一国の為の神」と限定してしまうことになるのです。もっと突っ込んで言えば「主なる神は他国の神々の中でも最大の力を持つ神」と異教の神々と同列に置いていることにもなるのです。
●ソロモンは振り返ってイスラエル全会衆を祝福した時の言葉にもこの未熟な信仰心が発露してしまうのです。それは「神殿を建立することは父ダビデにではなくこの私ソロモンに委ねられた」との内容に表現されています。ダビデに語られたのは「家=神の国」を立て上げるのは「世継ぎの子=子孫」であって「あなた(ダビデ)の腰から生まれ出るあなたの子=ソロモン」ではなかったのです。「サムエル記第二7章-1」でも記しましたが、謂わば主なる神様の警告「神殿を造るな」という命令を無視してし、自分の威信の為にソロモンが神殿建立に着手したのダビデ同様「御言葉」の曲解であり、ダビデ譲りの不信仰と思われるのです。
●契約の箱に残っていたのは「十戒」であって「契約事項」ではありません。そこに書かれていたのは「イスラエル国家存続の契約」ではなく「全人類への警告」です。ソロモンは自分の権威維持のため都合の良いようにイスラエルの歴史を利用しているに過ぎないのです。

=注目地名=

列王記第一

Posted by kerneltender