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列王記第一7章-2

2024年7月25日

列王記第一7章-2(7:13-22)
=本章の内容=

❷建築家ヒラム➌ヒラムの作品(1)二本の柱

=ポイント聖句=

14,彼はナフタリ部族のやもめの子であった。彼の父はツロの人で、青銅の細工師であった。ヒラムは青銅の細工物全般について、知恵と英知と知識に満ちていた。彼はソロモン王のもとに来て、その一切の細工を行った。
20-21,二本の柱の上にある柱頭の格子網のあたりで、丸い突出部の周りには、二百個のざくろが、両方の柱頭に段をなして並んでいた。この柱を本殿の玄関広間の前に立てた。彼は右側に立てた柱にヤキンという名をつけ、左側に立てた柱にボアズという名をつけた。

=黙想の記録=

❷13-14節:建築家ヒラム・・・ここに登場するヒラムはⅡ歴代誌2:13-14、4:11に登場する「フラム」と同一人物です。Ⅱ歴代誌2:13によると、彼の母はダン部族の子孫でしたが、ナフタリ部族の男性に嫁ぎました。ナフタリ部族の夫と何らかの理由で死別すると彼女は未亡人として再婚しツロ人の妻となり、息ヒラムをもうけたことになります。この説で言うならヒラムはツロ人との混血と言うことになります。ヒラムはツロで当時の世界各地の文献や現物に触れていたことが想像できます。卓越した見識と技術力を習得していたことからツロの王に重用されていたことが容易に想像できます。ヒラムの建造技術や青銅の加工技術はイスラエル人のものではなく、ツロ人の父親譲りのものです。「14,・・・青銅の細工物全般について、知恵と英知と知識に満ちていた」とありますが、この表現は出エジプト記31:1-5に登場する「ユダ族のウリの子、フルの子ベツァルエル」への賞賛の言葉に酷似しています。ところがベツァルエルには「神の霊」が記されているのにヒラムへの賞賛の言葉にはありません。ここから感じ取ることができるのは「天賦の才」と思しき「技能や技術」であっても「神の霊」がそこに存在するのか否かは別問題なのです。確かにヒラムの才能は飛びぬけていましたが「神の霊」がヒラムを祝用していたと言いいきれないのです。寧ろ偶像礼拝を促すような作品作りに手を染めているのが➌に見られる名前を付けられた「二つの柱」です
➌15-45節:ヒラムの作品
⑴二つの柱(15-22節)・・・ヒラムが制作した第一の物は神殿の入り口を飾る「二本の青銅の柱」のです。高さ8.2mありますが日本で言えば2階建て家屋の屋根上部に相当します。太さは直径約1.7mと人の背丈ほどではありましたが、青銅のような比較的柔らかい金属から鋳造され、内部が空洞になっているため、神殿の屋根を支えるものではなく装飾品と言えます。それぞれの柱には名前がありました。一本は「ボアズ」と呼ばれ「彼に力がある」という意味です。もう一本は「彼は立てる」という意味の「ヤキン」と名付けられました。神殿内部におられるイスラエルの神への明確な言及でした。ところが柱頭部分に施された「ザクロ」は「豊穣や多産」を表現するもので「民の繁栄」への願いが込められてはいましたが「異国の神殿に見られる装飾」です。つまりこの装飾品は異教の神々同様、神とは「人間の必要を満たす」存在ではありましたが、「聖なる神格」を持たれる「イスラエル人の養育者」としての存在としての印象を与えるものではなかったのです。この点からもやはりヒラムに欠けていたのは「神の霊」であることが分かるのです。

=注目語句=

語句①知恵と英知と知識(14):英語wisdom, and understanding, and cunning(〔目的を達成するための(詐欺的な)〕ずる賢さ、悪賢さ、狡猾さ);ヘブル語ホフマー・タブ―ン・ダアートゥ[知識(技術)・理解力(知性)・分別(見識,知覚)] =注目人名= 人名①ヒラム(13):英語Hiram;ヘブル語ヒラム(ホラム)[高潔な,気高い,崇高な,りっぱな]・・・ヒラム王によってソロモンに送られたソロモンの神殿の主任建築家であり技術者

 

 

 

 

列王記第一

Posted by kerneltender