列王記第一6章-4

列王記第一6章-4(6:11-13)
=本章の内容=
❺主のことば
=ポイント聖句=13,わたしはイスラエルの子らのただ中に住み、わたしの民イスラエルを捨てることはしない。
=聖句の比較=12,「あなたが建てているこの神殿のことであるが、・・・(新改訳2017)
12,「あなたが建てている神殿について、・・・(新共同訳)
12,「汝今此家を建つ・・・(文語訳)
12, Concerning this house which thou art(KJV)(自然の模倣,人工,人為芸術) in building,(KJV)【直訳】あなたが建てているこの家についてですが
12, Concerning this Temple you are building(NLT)
12, As to this house which thou art building(DBY)
※ヘブル語「ゼ[この]・バイヤス[家・すみか]・アシェ[英語の関係代名詞whichに相当]・アッター[あなた]・バナー[構築する,再構築する,確立する,継続する]」にはConcerningにあたる単語は見当たらない。
※ヘブル語が「家」とあるのに「神殿」と敢えて翻訳するのは何か意図があってのことなのだろうか。主なる神様は敢えて「神殿」という言葉を使われていない。主なる神様からすれば神殿は人間臭い獣のすみかにしか映っておられないのだ。
13,わたしはイスラエルの子らのただ中に住み、わたしの民イスラエルを捨てることはしない。(新改訳2017)
13,わたしはイスラエルの民とともに住み、決して彼らを捨てない。(リビングバイブル)
13, And I will dwell([特定の場所]に住む) among the children of Israel, and will not forsake(見捨てる、見放す、断念する) my people Israel.(KJV)
13,I will live among the Israelites and will never abandon(見捨てる、放棄する、断念する、放任する) my people Israel.(NLT)
※「among」の意味:[場所が]~に囲まれた、~の間の、[集団の]中にいる、同行する
=黙想の記録=❺11-13節:主のことば・・・ヘブル語では「神殿」と言う言葉が使われていません。主なる神様からすれば「神殿」は「人間臭い獣のすみか」にしか映っておられないのです。神様はイスラエルを統率するためにソロモンに王位を譲ることを許されました。ダビデに神殿建築を禁止していたにもかかわらずソロモンが実行してしまうことを黙認しておられます。ここでは神殿建築について慰労したわけでも誉めたわけでもないのです。黙認しただけなのです。意訳するのなら「あなたはとうとうこんな家を作ってしまったのか。しかし私は言っておくが・・・」と、あくまでも神殿建築には否定的な筈なのです。ソロモンの死後北王国南王国に分裂してしまう要因がこの神殿建築にあることをソロモンもその時の重鎮も知る由がなかったのです。後世の信仰者がソロモンの神殿建築をどう評価するのか主なる神様は見守っておられるかのようです。信仰とはこの世の威勢(この世の影響力)に頼ることではないはずです。ソロモンの神殿建築の様にこうした実物教材を通して、信仰者は初めて「信仰とは何でないか」を見抜くことができるようになるのです。神殿を概ね完成したところで主なる神様がくぎを刺します。神殿が礼拝の対象になるのではなく「主の言葉」に従って生きることこそ「真の礼拝」であることをここで畳み込んでおられるのです。そこには「掟」「定め」「命令」とわざわざ三種類に主なる神様からイスラエル人に与えれらた言葉を分けています。また「掟」に対しては「歩み」、「定め」に対しては「行い」、「命令」に対しては「守る」と言葉を替えて表現しています。これらは英語聖書では厳密に分けているのを見かけるのですが、日本語聖書では三種とも同様な使われ方をしています。基督者にとって聖書(主なる神様の御言葉)は時に「人生の模範」であり「人生の計画」であり「人生の最高法規」です。イエス様の歩み方に倣って「模範」通りに「歩む」必要があり、私に課せられた人生の「計画」を確実に「実行」する必要が求められ、十戒にある最低限の「最高法規」に照らし合わせて「守る」必要があるのです。正に信仰者の人生の歩み方を指示している言い回しです。「13,わたしはイスラエルの子らのただ中に住み、わたしの民イスラエルを捨てることはしない。」と主なる神様は「ソロモンが造った神殿」にではなく敢えて「イスラエルの子らのただ中」に住むと約束なさいました。しかし、ソロモン自ら主なる神の言葉に対し無関心となり軽視し無視し、最後には反故にしていくのです。「神殿造り」をもってソロモンは信仰者として確立したかのような錯覚に陥っていくのです。この13節の御言葉を現代のキリスト教会や基督者に適応するとどのようになるのでしょうか。
=注目語句①=
語句 | 英語 | ヘブル語 | 使用されている聖書箇所 |
掟(12)
150件 |
tatutes:制定法、法令、法規 | フカー
|
創世47:6、ヨシュア24:5、Ⅱサムエル30:25、Ⅰ列王2:3 |
定め(12)
259件 |
Judgments:判決、審判、裁判 | ミシュパット | 創世1:14、ヨシュア20:2、Ⅰサムエル9:24、Ⅰ列王8:6 |
命令(12)
215件 |
Commandments:戒律。特に十戒。 | ミツバ | 創世26:6、Ⅰサムエル13:32、Ⅰ列王2:43 |
語句 | 英語 | ヘブル語 | 使用されている聖書箇所 |
歩む(12)
65件 |
walk:歩く | ヤラッ(ク) | 出エジプト16:4、士師2:22 |
行う(12)
263件 |
execute:実行する、成し遂げる | アサー | 創世18:19、ヨシュア8:8、Ⅱサムエル12:12 |
守る(12)
103件 |
keep:~の状態にしておく、~を保つ、~にしておく | シャメイル | 創世3:24、Ⅰサムエル7:1 |