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列王記第一5章-2

列王記第一5章-2(5:1-12)
=本章の内容=

❷ファラオの様な圧政を敷くソロモン

=ポイント聖句=

15-16,ソロモンには荷を担ぐ者が七万人、山で石を切り出す者が八万人いた。そのほか、ソロモンには工事の監督をする長が三千三百人いて、工事に携わる民を指揮していた。

=黙想の記録=

❷13-18節:ファラオの様な圧政を敷くソロモン・・・「14,ソロモンは、彼らを一か月交代で一万人ずつレバノンに送った。一か月はレバノンに、二か月は家にいるようにした。」とあります。つまり、ソロモンはイスラエルから3万人の兵士(男性のみ)を徴兵し、レバノン(ヒラムの地)で交代制で兵役の義務を課したのです。3万人のうち1万人を一か月間レバノンに常駐させ、その後二か月間は帰国し通常の生活を送らせるというものです。一見すると負担軽減をしているかのようなルーティーンですが、一年間に四か月も家を離れるのです。この四か月間は納税の代わりの労役です。つまり無給なのです。収益が今までの66%しか入らないということなのです。さらにこの四か月は詳細は分かりませんが様々な苦役を課せられていたようです。さらにさらに「15,ソロモンには荷を担ぐ者が七万人、山で石を切り出す者が八万人いた。」とありますが、上述の兵以外の人員で概ねイスラエル各部族から駆り出された15万人の外国人(戦争捕虜など)で構成されていました(Ⅱ歴代誌2:17-18)。彼らを厳しく監督する者が三千三百人もいたのです。ソロモンは主なる神様の怒りを買った父ダビデの人口調査にも拘わらずイスラエルにいる寄留者の人口調査を独自で行っているのです(Ⅱ歴代誌2:17)。またゲバル人が最後に登場しますが、彼らはソロモンの治世ではやはり奴隷として酷使されていたようです。これらの表現はエジプトで奴隷状態であったイスラエルを彷彿とさせるもので、ソロモン王が絶対君主のファラオの様に横柄かつ冷酷な王に変容してしてしまったことを表現する者です。これらの労役はイスラエル諸部族にとってユダ族への単なる隷属以外の何物でもないと思うようになっていくのです。ソロモンの死後、北イスラエル10部族の造反の原因はここに端を発するのです。

=注目語句=

語句①役務者(13):英語levy[徴兵された者];ヘブル語マス[強制労働者,農奴,奴隷集団]

語句②荷を担ぐ者(15):英語transporters (NLT)[運送人];ヘブル語ナサ―・サバール[荷を担ぐ者] かなり過酷な労働とされるが、概ねイスラエル在住の外国人(戦争捕虜を含む)にこの仕事を課したとされているので無給であったと思われる。

語句③石を切り出す者(15):英語quarry workers(NLT)[採石場労働者];ヘブル語ハツァーブ[砕石する者,掘り出す者]・・・かなり過酷な労働とされるが、概ねイスラエル在住の外国人(戦争捕虜を含む)にこの仕事を課したとされているので無給であったと思われる。

語句④監督をする長(16):英語foremen(NLT);ヘブル語セール・ナツァーブ

=注目地名=

地名①ゲバル(18):英語stonesquarers(KJV)[四角い岩];ヘブル語ゲベル[境界]・・・ベイルートとトリポリスの間にあるフェニキアの都市ゲバルの住民のこと。ゲバル(エゼキエル書27:9ではツロに関連して言及されている)。彼らはその優れた技術力のゆえにヒラムの建設者と区別されているがソロモンの監督者の下ではカナン人の様に奴隷として取り扱われていたとの説がある。

列王記第一

Posted by kerneltender