ヨハネの手紙第一 1章

ヨハネの手紙第一1章
=本章の内容=

❶神であるイエスキリストの存在❷光と闇の存在➌罪の存在

=ポイント聖句=

しかし、もし神が光の中におられるように、私たちも光の中を歩んでいるなら、私たちは互いに交わりを保ち、御子イエスの血はすべての罪から私たちをきよめます。(1:7)

=黙想の記録=

●ヨハネの手紙の作者は晩年のヨハネですでに迫害下にありました。教会が異邦人世界に拡散されると直ぐに潜入してきたのがグノーシス主義者でした。彼らは、「①神の受肉などあり得ない。イエスは人である。②基督者の指摘する罪など存在しない。③十字架には贖罪の意味はない。」ということでした。潜入していた偽信者は教会を混乱させ中には彼らに追随する者達もいました。彼らの描く理想郷はこの世での享楽そのもので、霊的な成長つまり内面の変化など何の関心もなかったのです。迫害の色が濃くなるに連れ現れてくるのがこの厭世的な流行なのです。
●ヨハネは彼らの世界を「やみ(闇)」と呼び、キリストにより救いを得た人々を「光」と呼んで区別しました。「罪はない」と主張する彼らの真意は、内面の成長の為に欠かすことのできない神様の試練を無視することでした。つまり「この世の中のお楽しみを充分満喫して、お気楽に過ごせばそれが幸せだ」という刹那的なものです。
●そう言えば、各種SNSが、真面目な重たいネタより、趣味嗜好ネタが好まれるのも2000年前のグノーシス主義者の思いと大差がない気がします。
●「光の中を歩む」とは、基督者と言えども心に巣食う罪を蔑ろ(ないがしろ)にせず、み言葉によって照らし出し、十字架によって日々に清めて頂くことです。神様の試練は正にその罪を照らし出すためのサーチライトなのです。