ヨシュア記19章-2
ヨシュア記 19章-2
=本章の内容=
❶カナン分割の記録(12)ナフタリ族(13)ダン部族❷ヨシュアが求めた町
=ポイント聖句=50,主の命により、ヨシュアが求めた町、すなわち、エフライムの山地にあるティムナテ・セラフを彼に与えた。彼は町を建てて、そこに住んだ
=黙想の記録=【ナフタリ族の分割】アシェル族の分割地の東側でガリラヤ湖の西岸にある肥沃な平野部が与えられました。南はイッサカル族とゼブルン族に接していました。ナフタリ族はマナセ族ユダ族に次ぐ第三番目に広い分割地を受け取りました。ところが他の部族同様原住民の奴隷化政策を取り結果異教文化に深く染まっていきます。イスラエル王国分裂後は北イスラエル王国属していました。アッシリヤが北イスラエル王国を攻撃されナフタリ族は強制移住させられます。同時にアッシリヤ帝国の殖民地の住民が移住してきて、結果的にはイスラエル人と異邦人の混血が生まれることになります。
[ナフタリ族に対するヤコブの遺言]創世記49:21,ナフタリは放たれた雌鹿。美しい子鹿を産む。・・・英語ではKJVではgoodly words(良い言葉)がNLTではbeautiful fawns(美しい女鹿). と訳されている。ヘブル語ではシェフェル・エイメル[美しいまたは良い言葉]となっている。つまりナフタリ族の分割地から良い言葉=福音が生まれ出るとも考えられる。その意味で言うならガリラヤから私達の救い主イエス様が福音宣教を始められることを預言したものとも思われます。
【ダン族の分割】エフライム族の分割地の西側に位置し地中海にまで達しています。「47,ダン族の地域は彼らから失われたので、ダン族は上って行き、レシェムと戦った。彼らはそこを取り、剣の刃で討つと、これを占領してそこに住み、自分たちの先祖ダンの名にちなんでレシェムをダンと呼んだ。」とあるように、当初ユダ族とベニヤミン族の領土の西方が割り当てられていましたが、エモリ人やペリシテ人の圧迫を受けたので、移住を決意し北上してレシェムを占領して、その地をダンと改名しました。
[ダン族に対するヤコブの遺言]創世記49:17,ダンは道の傍らの蛇となれ。通りのわきのまむしとなれ。彼が馬のかかとをかむと、乗り手はうしろに落ちる。・・・蛇やまむしは嫌われ邪魔者扱いにされている生き物です。「道の傍ら」「通りのわきの」とあるようにダン族は他民族から厭われ脇に追いやられる運命となります。ですが「馬のかかとをかむ」とあるように致命傷には至りませんが攻撃力がありしばしば「乗り手は・・・落ちる」ように敵を倒すことができる様です。これはエモリ人等の圧迫により脇に追いやられていたのが北上してレシェムを占領できた様子を預言したものです。
●ヨシュアが求めた町・・・論功行賞で言えば一番先に所領を決めても良かったのにヨシュアは全ての部族の分割を決めてから後に自分の所領を求めるのです。ここにヨシュアのモーセに薫陶されてきた指導者の謙遜の美徳があるのです。「50,主の命により、ヨシュアが求めた町、すなわち、エフライムの山地にあるティムナテ・セラフを彼に与えた。彼は町を建てて、そこに住んだ。」とあるようのヨシュアは自分の部族のエフライムの分割地の中からわざわざ山地の中にある「ティムナテ・セラフ」という場所を選ぶのです。「ティムナテ・セラフ」はヘブル語で「太陽の光」という意味があり土着の民族がそこを太陽神を崇拝する為の場所としていたようです。さらにこの場所は渓谷で囲まれたかなり辺鄙な所の様でした。敢えてこのような場所を選ぶ意図はどこにあるのでしょうか。この時ヨシュアの年齢は80代。気力体力とも落ちてとても人生の冒険ができるような歳ではありません。カレブがそうであったようにヨシュアはこのような高齢になっても自らに鞭を当てて人生の冒険に出かけるのでした。ヨシュアやカレブには「獲得しなければならない土地」がまだまだ多く存在するという気迫で満ちているのです。ここに基督者の気概を感じることができるのです。